文化観光研究部会

目次

設立趣意書

(1)部会の名称
関西ベンチャー学会 文化観光研究部会と称する。

(2)体制
主査 星乃勝(NPO法人スマート観光推進機構 理事長)
幹事 清水宏一(株式会社時有人社 代表取締役)

(3)趣旨・目的
(世界的潮流としての観光)
IT革命と航空機の発達が、時間と距離を超えて世界中の人々や企業をネットワーク化し、世界を舞台に、ヒト、モノ、カネ、技術、情報が自由に流通するグローバリズムが生まれ、世界大交流の時代が到来した。世界中の人々を大交流へと駆り立てるのは異なる文化や生活への大いなる興味であり、これまで人類が経験したことがなかった大規模かつ多様な文化交流のもと、世界は国家デザインの大競争時代に突入した。ダイナミックな経済力を背景に国際社会での自国の地位をさらに高めるため、産業立国、情報立国、文化立国、環境立国、さらには観光立国などの国家戦略が、総合的、有機的に展開され始めた。
なかでも観光立国戦略は、自国の文化をアピールし、その魅力を内外に発信してブランドイメージを高めようとするもので、産業、文化、まちづくりなどの諸施策が相互に良好な循環を形成し、教育を変革し、国際性を高めて国の未来を切り開く「最適化複雑系システム」として多くの国々が総力を結集するようになっている。
(日本の観光立国戦略)
わが国が観光を国家戦略に組み込んだのは2003年1月で、世界の主要国からはかなり遅れてのスタートであった。世界に開かれた国を目指そうと、内閣の直接指揮のもと「住んでよし、訪れてよしの国づくり」を合言葉に幅広い検討が重ねられ、「観光立国懇談会報告書」とこれに基づく「観光立国行動計画」が取りまとめられた。観光立国宣言、一地域一観光など日本と地域の魅力の確立、トップセールスとビジット・ジャパン・キャンペーンによる日本ブランドの海外発信、入国手続きやビザなど外国人受け入れ環境の整備、等々、「和」の文化をアピールする斬新な計画である。
(変わりゆく産業構造と観光戦略のゆくえ)
成熟社会化と少子高齢化により産業構造が大きく変化し、地域経営のポイントは「定住人口」重視から「交流人口」重視へと変わり、観光の地域間競争はさらに激しくなった。旅行者のニーズも、体験型、滞在型、通年型、着地型の「4つのT」に移りつつあり、さらには国際、環境、健康、景観、交通、教育そして寛容の「7つのK」が受け入れ側のキーワードとして注目されている。また、ライフスタイルの変化に応じ、グリーンツーリズム(アグリツーリズム)、エコツーリズム、ヘルスツーリズム(メディカルツーリズム)、カルチャーツーリズム、産業観光、ロケーションツーリズム、スポーツツーリズムなど自己実現をめざすニューツーリズムの隆盛や、ローハス(LOHAS)や、ボボズ(BOBOS)、デュアルハビテーション(二地域居住)などニューリッチなこだわりの生き方を求める動きも注目を浴びるようになった。そうした人間復興のツーリズムを背景に、「観光立国」戦略も「観光創造立国」へと進化し、産学官連携、農商工連携が重要視され、観光起業家の育成や、第6次産業による地域活性化が注目を浴びている。

「文化観光研究部会」は、国家的課題としての観光創造を目指し、イノベーションを先導して行くための活動を強めていく。

 

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