2017年度講演会(10月5日)のご報告

2017年度講演会(10月5日)のご報告

今年度の講演会(全体例会)は、中国の経済・産業に詳しい富士通総研主席研究員の金堅敏氏にご講演いただきました。金氏に中国ベンチャービジネスの現状などを解説いただいた後、林茂樹会長の司会による質疑応答が行われ、続く交流会でも参加者の間で活発な議論が交わされました。詳細は以下の通りです。

テーマ 「中国で過熱するベンチャー企業活動」
日時 2017年10月5日(木)18:30~20:00
場所 備後町クラブ3階ホール
大阪市中央区備後町3-6-14アーバネックス備後町ビル3階
講師 金賢敏・富士通総研主席研究員
質疑応答の司会は林茂樹会長

内容
金氏はまず中国経済の動向について、「高度成長の追求から潜在成長力の重視へと政策が変化し、古い経済を縮小しつつ新しい経済を伸ばす『抓新放旧』という考え方が求められるようになっている。金融政策や財政政策より、構造改革やイノベーションが政策手段として重要だ」と述べました。そして、「伝統産業と言われる大企業のイノベーションは弱く、特許も大学や研究所に偏っているが、一方で、ベンチャー企業の台頭がこのところ著しい」と最近の特徴的な動きについて語りました。

そして、「中国にはIoT(モノのインターネット)時代において、市場の大きさや人材の豊富さなど様々な優位性があり、ネットをフルに活用するベンチャー企業の創業ブームと、それを支えるベンチャーキャピタルの投資の活発化が、デジタル化の急進展という形で社会のシステムを大きく変えている」と強調。具体的な新技術・ニューサービスの例として、スマートフォンにつながる超小型のプロジェクターや、クラウドを使った自転車のシェアリングサービスなどを挙げました。さらに、金氏はアリババ集団や騰訊控股(テンセント)のようにベンチャー企業から出発して世界のトップ企業と肩を並べるまでに成長した中国企業の例も挙げ、「日本にもこうした企業が出てくることが望まれる」と締めくくりました。

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