関西ベンチャー学会は2016年度の全体例会を、8月と11月の2回開催しました。8月の第1回目は、ベンチャー学会の提言取りまとめのための例会として、また11月の第2回目は、講演会としての開催となりました。概要は以下の通りです。
【関西ベンチャー学会 2016年度 第1回例会】
テーマ:関西における起業促進に何が必要か
日時:2016年8月26日(金)18:30~20:00
場所:備後町クラブ 3階C会議室
大阪市中央区備後町3-6-14アーバネックス備後町ビル3階
内容:
関西ベンチャー学会では、2016年度の事業として、「関西における起業促進のための提言」を発表しました。2016年度第1回例会は、その提言の取りまとめのための議論の場として開きました。
提言は当学会自身がやるべきことや大学・行政への要望を明らかにするものであり、理事会だけでなく、広く会員から意見を求めて作成されるべきと考えて、会員による全体例会を意見交換の場としました。例会では宮田由紀夫副会長(関西学院大学教授)が提言のたたき台を提示。これをもとに内容についての議論を交わしましたが、例会終了後の交流会に至るまで、会員相互の活発な議論が続きました。
【関西ベンチャー学会 2016年度 第2回例会(講演会)】
テーマ:関西の成長産業とベンチャーの可能性~関西経済白書2016から~
日時:2016年11月22日(火)18:30~20:00
場所:備後町クラブ 3階C会議室
大阪市中央区備後町3-6-14アーバネックス備後町ビル3階
講師:稲田義久・アジア太平洋研究所数量経済分析センター長(甲南大学副学長)
質疑応答の司会は林茂樹会長
内容:
第2回全体例会(講演会)は、稲田義久・アジア太平洋研究所数量経済分析センター長を講師に迎え、アジア太平洋研究所が発表した2016年度の関西経済白書の中から、ベンチャー育成・支援に関する部分に焦点を当てて解説をいただきました。
稲田センター長は「関西エリアにおけるベンチャーや新事業創出の動きは活発とはいえず、ベンチャーキャピタル投資は全国の6%程度にとどまる」と指摘。経済の長期停滞から脱するために「産業の新陳代謝、ベンチャー創出を加速させるべきだ」と主張しました。
さらに、このままでは関西経済はじり貧になるとして、関西の特徴とポテンシャルを生かすための「関西再興戦略」というべき成長戦略を策定すべきと強調。「供給サイドでは女性労働力の活用やサービス産業の生産性向上、需要サイドでは観光産業、健康・医療産業、そしてIoTやビッグデータなどの活用による第4次産業革命に関する産業の振興に力を入れるべきだ」と、具体的な内容を示しました。
講演の後は関西ベンチャー学会の林茂樹会長の司会で、会場参加者を交えた質疑応答を展開。引き続いて開かれた交流会では、今回の講演会にご招待した近畿経済産業局やアジア太平洋研究所の関係者も交えた歓談の輪ができました。